2022/09/14 (WED)

【実施報告】おもしろサイエンスワールド2022を開催しました【地域・おもしろ】

OBJECTIVE.

おもしろサイエンスワールド2022
(後援 豊島区教育委員会)

立教大学理学部では、毎年夏休みに子ども向けの科学イベントを実施しています。
2022年度のテーマは「研究を知ろう、研究をしよう〜木の偉大さを感じる夏〜」。
第1部は、本学ESD研究所のご協力もいただき、地球温暖化問題についてのお話と樹木調査をするプログラムを2年振りに池袋キャンパスで実施しました。
第2部は「最先端研究を知る」ということで、本学理学部化学科で研究されている人工光合成の研究の一端を見たり聞いたりするプログラムをオンラインとのハイブリットで実施し、遠くは秋田県からもたくさんの方々にご参加いただきました。
両プログラムを通して、約640名もの方々にお楽しみいただきました。

【第1部】みんなで大調査!キミが見つける木のパワー 〜立教大学編〜

日時:2022年8月31日(水) 10:30-13:00 (開場10:00)
対象:小学4年生から中学3年生
参加者数:40名
出演者:河村賢治先生(ESD研究所、本学法学部教授)、高橋良子

まず最初は河村先生から、地球温暖化問題について、世界や日本の目標と取り組み、そして立教大学の「カーボンニュートラル宣言」などのお話を聞きました。
次に、参加者がグループに分かれて、立教大学の大学生/院生と一緒に、池袋キャンパス内の樹木調査をしました。
まずは、樹木の名前を確認して、特別なメジャーの使い方の説明を学生から受けました。それから、胸の高さ(約130cm)での幹の直径を計測し、さらに樹木の健康状態等も記録しました。
池袋キャンパス内の様々な種類の樹木について、参加者の皆さんで分担して測定しました。
大きな樹木で太い幹の場合は、複数で協力しあって計測することができました。
参加者の皆さんが測定したデータを集めてから、i-Tree Ecoという樹木の分析や評価をするソフトを使って解析しました。
今回測定した樹木がいったいどれくらいの炭素を固定しているのか、数値で見ることができました。
またこのソフトを使うことで、二酸化炭素固定量を社会的価値観算をすることができ、年間でどれくらいの価値があったのかを日本円で表現することもできました。
最後に、今日学んだことや知って驚いたことを茶色の付箋に、私たちが未来の環境のためにこれからやりたいことを緑の葉の付箋に書いて、
小学生から大人までの参加者全員で一緒にペタペタと貼って、一本の樹木を完成させることができました。
「未来環境への樹木」完成!

【第2部】研究こそこそ話 植物がヒント!人工光合成が未来を救う!?

日時:2022年8月31日(水) 14:00-15:00
対象:小学4年生以上
参加者数:約630名(オンラインと会場のハイブリット形式で実施)
出演者:和田亨先生(本学理学部教授)、高橋良子

第2部では和田先生から、地球温暖化問題を科学的な視点で捉えたお話を聞きました。
日本人1人が1年間に出す二酸化炭素量はどれくらいなのか、二酸化炭素はどういうしくみで地球を温めるのか、二酸化炭素以外のよく知られている物質で温室効果ガスとなるものはなんだろう?など、参加者全員でクイズに頭を悩ませました。
水蒸気やメタンも温室効果ガスであることに、皆さんとても驚かれていたようでした。
和田先生の研究のひとつ「人工光合成」についてもお話いただきました。
写真は、二酸化炭素を十分に溶かした溶液が入った小さいガラスの容器に、立教大学で開発した触媒と電子源となる物質を入れて、ハロゲンランプの光を当てているところです。
光のエネルギーを使って触媒が二酸化炭素を一酸化炭素に変え、二酸化炭素より溶媒に溶けにくい一酸化炭素がブクブクと気泡になってあらわれてきました。
生成した一酸化炭素は工業的に有用な化学物質です。

参加者の皆さんと一緒に目の前で見ることのできた(オンライン参加の方々は画面越しでしたが)人工光合成の様子に、わあっと歓声が上がりました。
第1部と第2部を通じて、「地球温暖化問題」 の社会的側面と科学的側面の両方を知ることができ、自分が主役となって未来の環境のために起こすアクションについて考えることができました。
そして、実際に樹木の測定をし参加者全員のデータを集めた解析をすることで、研究プロジェクトの一員としての研究員を体験していただきました。
今回のおもしろサイエンスワールド2022に参加することで、子供たちもそして大人の方にも、研究のおもしろさを感じていただけたのではないでしょうか。

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