2025/08/21 (THU)
【実施報告】おもしろサイエンスワールド2025を開催しました【地域・おもしろ】
OBJECTIVE.
立教大学理学部では、毎年夏休みに子ども向けの科学イベント「おもしろサイエンスワールド」を実施しています。
2025年度のテーマは「この夏、立教理学で"推し"と出会う」。
立教大学理学部では、4学科(数学、物理学、化学、生命理学)の研究者が、学生と一緒に研究を日々行っています。それぞれいったいどんなことを考え、研究しているのでしょうか?研究するってどんなことなのでしょう?
そして、そんな研究者が子どもの頃は、いったいどんな本を読んでいたのでしょうか。
そんなことを小中学生のみなさんに考えたり感じたりしてもらえる6種類の体験をご用意しました。
参加者の皆様は、立教大学の“推し”研究、"推し"研究者、あるいは“推し”本、“推し”樹木など、自分だけの"推し"は見つかったでしょうか。
当日は、小学生親子と中学生の参加者は、STEP1からSTEP4まで順番に挑戦し、時に各学科の大学生に質問したりしながら、それぞれのコンテンツを楽しんでいただきました。
【数学科】始まりは直感!数学者の旅2025
【物理学科】粘性探偵ニュートロリン 液体Kの謎をとけ!
【化学科】ミクロな世界と不思議なメガネ2025
【生命理学科】生き物戦国時代2025
【その他】推し本紹介
【その他】立教樹木図鑑
<開催概要>
日時:2025年8月7日(木) 10:00-16:00
対象:小学生とその保護者、中学生
会場:立教大学池袋キャンパス
主催:立教大学理学部
企画:立教大学理学部SCOLA
後援:豊島区教育委員会
参加者数:233名
【数学科】始まりは直感!数学者の旅2025
【物理学科】粘性探偵ニュートロリン 液体Kの謎をとけ!
【化学科】ミクロな世界と不思議なメガネ2025
【生命理学科】生き物戦国時代2025
【その他】推し本紹介
【その他】立教樹木図鑑
<開催概要>
日時:2025年8月7日(木) 10:00-16:00
対象:小学生とその保護者、中学生
会場:立教大学池袋キャンパス
主催:立教大学理学部
企画:立教大学理学部SCOLA
後援:豊島区教育委員会
参加者数:233名
【数学】始まりは直感!数学者の旅2025(監修:杉山健一 教授、阿部拓郎 教授)
2025年度版「一筆書きに挑戦!」と「植木算に挑戦!」の2つのコンテンツに挑戦してもらいました。
数学科のSTEPsは
STEP1: 直感でわかる!?
STEP2: ルールを考えてみよう
STEP3: 説明してみよう
STEP4: 問題を作ってみよう
一筆書きに挑戦!(監修:杉山健一 教授)
最初は、平面図形で一筆書きができるかなというクイズに挑戦しました。
そして、一筆書きができる図形とできない図形にはどんな違いがあるかな? そんな疑問をスタートに、一筆書きのルールを「なんとなく」探っていきます。
一筆書きのルールを言葉にしてみてから、次のステップとして立体図形にもそのルールが当てはまるのか、立体模型を使いながら考えました。
植木算に挑戦!(監修:阿部拓郎 教授)
「植木算」では、一本の直線を複数の点で分けるといくつに分かれるかというところからスタート。
直線の次は、平面を直線で分けることにステップアップ。
そして、平面の数「1」、直線の数、わけられた数の、「その場にある3つの数」を使って数式ができないかな?と、数字の関係にルールを考えてみました。
最後は参加者自身が問題を作って、そのルールが当てはまるかを確かめて終了!!・・・なのですが、実は続きがあったのです。
問題を作る中でルールが当てはまらない場合があることに気付いた方のための、追加コンテンツがありました。
そこでは、ある状況下でのルール作りにも挑戦いただきました。
数学科のSTEPsは
STEP1: 直感でわかる!?
STEP2: ルールを考えてみよう
STEP3: 説明してみよう
STEP4: 問題を作ってみよう
一筆書きに挑戦!(監修:杉山健一 教授)
最初は、平面図形で一筆書きができるかなというクイズに挑戦しました。
そして、一筆書きができる図形とできない図形にはどんな違いがあるかな? そんな疑問をスタートに、一筆書きのルールを「なんとなく」探っていきます。
一筆書きのルールを言葉にしてみてから、次のステップとして立体図形にもそのルールが当てはまるのか、立体模型を使いながら考えました。
植木算に挑戦!(監修:阿部拓郎 教授)
「植木算」では、一本の直線を複数の点で分けるといくつに分かれるかというところからスタート。
直線の次は、平面を直線で分けることにステップアップ。
そして、平面の数「1」、直線の数、わけられた数の、「その場にある3つの数」を使って数式ができないかな?と、数字の関係にルールを考えてみました。
最後は参加者自身が問題を作って、そのルールが当てはまるかを確かめて終了!!・・・なのですが、実は続きがあったのです。
問題を作る中でルールが当てはまらない場合があることに気付いた方のための、追加コンテンツがありました。
そこでは、ある状況下でのルール作りにも挑戦いただきました。
この写真は、モールとストローで参加者自らが立体図形を作りながら、一筆書きができるかどうかを考えている様子です。
「たくさん頭を使って楽しかった」「家族みんなで一緒に考えることができた」という感想をいただきました。
「たくさん頭を使って楽しかった」「家族みんなで一緒に考えることができた」という感想をいただきました。
【物理学科】粘性探偵ニュートロリン 液体Kの謎をとけ!(監修:久間晋 准教授)
物理エリアでは、謎の「液体K」の性質を知るための実験デザインに挑戦してもらいました。
まずは何を明らかにしたいのかという言葉をシンプルにして、ミッションをはっきりさせるところからスタート(STEP1)。
次に、液体の粘性についての実験結果や得られた知識を集め(STEP2)、
それらの知見を組み合わせて、参加者自身が実験デザインをしました(STEP3)。
最後に、自分でデザインした実験をしてみて、液体Kの粘性についてどんなことが分かったか書けたらミッション成功です(STEP4)。
論理的に考えて実験デザインをすること、そしてこれまでのたくさんの研究者が出してきた成果の積み重ねが新しい研究につながっていくという「巨人の肩の上に立つ」という研究の一面を知る機会となったのではないでしょうか。
まずは何を明らかにしたいのかという言葉をシンプルにして、ミッションをはっきりさせるところからスタート(STEP1)。
次に、液体の粘性についての実験結果や得られた知識を集め(STEP2)、
それらの知見を組み合わせて、参加者自身が実験デザインをしました(STEP3)。
最後に、自分でデザインした実験をしてみて、液体Kの粘性についてどんなことが分かったか書けたらミッション成功です(STEP4)。
論理的に考えて実験デザインをすること、そしてこれまでのたくさんの研究者が出してきた成果の積み重ねが新しい研究につながっていくという「巨人の肩の上に立つ」という研究の一面を知る機会となったのではないでしょうか。
この写真は、STEP4で自分でデザインした実験方法で液体Kの粘性について調べているところです。
「実験方法を自分で考えるのが楽しかった」「たくさん実験して結論を出すのがたのしかった」という感想をいただきました。
「実験方法を自分で考えるのが楽しかった」「たくさん実験して結論を出すのがたのしかった」という感想をいただきました。
【化学科】ミクロな世界と不思議なメガネ2025(監修:山中正浩 教授)
化学の研究者はミクロな世界である分子や原子のレベルで日々研究をしています。
そこで今回は、私たちもよく知っている「におい」を通じて、そのミクロなレベルで世界をみる感覚を体験してもらいました。
まず、小瓶に入っているメントールという物質のにおいをかぐことからスタート!
そしてそのにおい物質を不思議なメガネを通してみることで・・・いよいよ化学のミクロな世界へと入っていきます(STEP1)。
メントールのにおいを感じる時に、ミクロなレベルで見ると私たちの身体では一体どのようなことが起こっているのでしょうか。
オリジナル分子パズルを使って、メントールのにおい分子が、多様な受容体の中からどの受容体にピッタリはまるかを確かめます(はまる受容体は複数見つかります)。そして、ピッタリはまった受容体のパターンを調査シート(対応表)で調べると、「このにおい分子はメントールのにおいだ!」とわかるようになっています(STEP2)。
次にSTEP3では、新たな3つのにおい分子について、どんなにおいなのかを分子パズルを使って調査しました。
さらにSTEP4では、STEP3の分子の一部分の形や長さを変えて新しい分子を作ってみました。そして、その新しいにおい分子を受容体にはめてみてピッタリはまるパターンを調査することで、分子の形や長さの変化でにおいが変化するのかを調べました。
最後には、今回の分子パズルに登場した6つのにおい分子の実際のにおいをかぐことができました。
そこで今回は、私たちもよく知っている「におい」を通じて、そのミクロなレベルで世界をみる感覚を体験してもらいました。
まず、小瓶に入っているメントールという物質のにおいをかぐことからスタート!
そしてそのにおい物質を不思議なメガネを通してみることで・・・いよいよ化学のミクロな世界へと入っていきます(STEP1)。
メントールのにおいを感じる時に、ミクロなレベルで見ると私たちの身体では一体どのようなことが起こっているのでしょうか。
オリジナル分子パズルを使って、メントールのにおい分子が、多様な受容体の中からどの受容体にピッタリはまるかを確かめます(はまる受容体は複数見つかります)。そして、ピッタリはまった受容体のパターンを調査シート(対応表)で調べると、「このにおい分子はメントールのにおいだ!」とわかるようになっています(STEP2)。
次にSTEP3では、新たな3つのにおい分子について、どんなにおいなのかを分子パズルを使って調査しました。
さらにSTEP4では、STEP3の分子の一部分の形や長さを変えて新しい分子を作ってみました。そして、その新しいにおい分子を受容体にはめてみてピッタリはまるパターンを調査することで、分子の形や長さの変化でにおいが変化するのかを調べました。
最後には、今回の分子パズルに登場した6つのにおい分子の実際のにおいをかぐことができました。
この写真は、におい分子(白い構造式のシート)の形にピッタリはまる受容体(様々な色のシート)を探しているところ。
調査シートのパターンと見比べて、どんなにおいなのかを調べます。
「実際に体験することができたから(楽しかった)」「小1の子にとってもパズルのようでわかりやすかったので良かったです」といった感想をいただきました。
調査シートのパターンと見比べて、どんなにおいなのかを調べます。
「実際に体験することができたから(楽しかった)」「小1の子にとってもパズルのようでわかりやすかったので良かったです」といった感想をいただきました。
【生命理学科】生き物戦国時代(監修:塩見大輔 教授)
生命理学エリアでは、オリジナルの細菌のカードゲームを通して細菌の生存戦略を知り、そして「生物ってなんだろう」「生きているとはどういうことなのか?」といったことを考えてもらいました。
STEP1では、アニメ「はたらく細胞」に登場した細菌のイラストも交えつつ、私たちの身体や地球上の様々な環境に広く生きている「細菌」の不思議について知ってもらうことからスタートしました。
STEP2では、細菌が生きるための多様な戦略を知って、いろんな細菌の生き物としての面白さを感じてもらいました。
STEP3では、オリジナル細菌カードゲームで遊んでもらいました。自分が選んだ細菌になりきって、生きるための戦略「アクションカード」を使いながら、自分自身(細菌)をどんどん増やしていこうというゲームです。
そして最後のSTEP4では。ゲームで細菌として生きることの体験を通して、「生き物」「生きること」について考えて、自分なりのコメントや感想をふせんに書いてもらいました。
STEP1では、アニメ「はたらく細胞」に登場した細菌のイラストも交えつつ、私たちの身体や地球上の様々な環境に広く生きている「細菌」の不思議について知ってもらうことからスタートしました。
STEP2では、細菌が生きるための多様な戦略を知って、いろんな細菌の生き物としての面白さを感じてもらいました。
STEP3では、オリジナル細菌カードゲームで遊んでもらいました。自分が選んだ細菌になりきって、生きるための戦略「アクションカード」を使いながら、自分自身(細菌)をどんどん増やしていこうというゲームです。
そして最後のSTEP4では。ゲームで細菌として生きることの体験を通して、「生き物」「生きること」について考えて、自分なりのコメントや感想をふせんに書いてもらいました。
この写真は、参加者と大学生とがオリジナル細菌ゲームをしているところ。
後方のホワイトボードには、細胞数ランキングと「生きるとは?」「生物とは?」の自分なりの考えが書かれた付箋が掲示されています。
アンケートでは「カードゲームになっていたので、大学生と一緒に遊ぶことができたのがとても良かった。」「菌のいろいろなとくちょうがおもしろかった。」との感想をいただきました。
後方のホワイトボードには、細胞数ランキングと「生きるとは?」「生物とは?」の自分なりの考えが書かれた付箋が掲示されています。
アンケートでは「カードゲームになっていたので、大学生と一緒に遊ぶことができたのがとても良かった。」「菌のいろいろなとくちょうがおもしろかった。」との感想をいただきました。
【その他】推し本紹介
今年も昨年に引き続き、立教大学理学部教員や豊島区立小中学校の教員の「推し本」を紹介しました。
推し本のカテゴリは次の4つ。
・自分が子どもの頃に好きだった本
・今の自分に影響を与えている本
・今の子ども達へのオススメの本
そして今年は、映像作品(映画、動画など)やサイトの紹介もしました。
小学校低学年から中学生、高校生向けにレベル分けして、コメント入りのポップと共に実物の本を展示しました。
推し本のカテゴリは次の4つ。
・自分が子どもの頃に好きだった本
・今の自分に影響を与えている本
・今の子ども達へのオススメの本
そして今年は、映像作品(映画、動画など)やサイトの紹介もしました。
小学校低学年から中学生、高校生向けにレベル分けして、コメント入りのポップと共に実物の本を展示しました。
立ったままパラパラめくってみたり、座ってじっくり読んだり、気になった本を手に取って思い思いの時間を過ごしていただきました。
「気になる本が沢山あった」「推し本紹介が読めて最高でした。」という声をたくさんいただきました。
一方で「知っている本がでてきて楽しかったです」との感想もあり、新しい本との出会いをお届けしたのと同時に、読んだことのある本をどんな研究者や先生がおすすめしているのかな?といった視点で見ていただくこともできたようでした。
「気になる本が沢山あった」「推し本紹介が読めて最高でした。」という声をたくさんいただきました。
一方で「知っている本がでてきて楽しかったです」との感想もあり、新しい本との出会いをお届けしたのと同時に、読んだことのある本をどんな研究者や先生がおすすめしているのかな?といった視点で見ていただくこともできたようでした。
【その他】立教樹木図鑑(監修:スポーツウェルネス学部 奇二正彦 准教授)
2022年度の「おもしろサイエンスワールド」から毎年、立教大学池袋キャンパスの樹木を測定するプロジェクト「立教マイツリープロジェクト」を実施しています。
今年は、「立教樹木図鑑」として、大学キャンパス内の樹木を観察して自分だけの発見をすることをメインに実施しました。
STEP1 スキになるポイントをみつけよう
STEP2 木をかんさつする時の”見る目”をやしなおう
STEP3 外に出て自分だけの発見をしに行くぞ!
STEP4 自分だけの"発見"をみんなにシェアしよう
今年は、「立教樹木図鑑」として、大学キャンパス内の樹木を観察して自分だけの発見をすることをメインに実施しました。
STEP1 スキになるポイントをみつけよう
STEP2 木をかんさつする時の”見る目”をやしなおう
STEP3 外に出て自分だけの発見をしに行くぞ!
STEP4 自分だけの"発見"をみんなにシェアしよう
STEP1とSTEP2では、自分の興味関心の傾向から、楽しく樹木を観察するためのポイント探しからスタート。
その人のタイプ(虫タイプや鳥タイプなど)毎にあった樹木の観察ポイントを写真パネルで紹介したり、
奇二先生とその大学院生の福田さんにご協力いただき今回特別に作成した「立教樹木図鑑」をみたりして、自分なりの観察ポイントを探してもらいました。
(立教樹木図鑑は下のリンクからご覧いただけます)
STEP3とSTEP4は、外に出て実際に自分の「立教マイツリー」を見つけたい方々を対象に、ワークショップを実施しました。
樹木観察で自分だけの発見をするというミッションで、発見を写真に撮って後でみんなに共有してもらいました。
その人のタイプ(虫タイプや鳥タイプなど)毎にあった樹木の観察ポイントを写真パネルで紹介したり、
奇二先生とその大学院生の福田さんにご協力いただき今回特別に作成した「立教樹木図鑑」をみたりして、自分なりの観察ポイントを探してもらいました。
(立教樹木図鑑は下のリンクからご覧いただけます)
STEP3とSTEP4は、外に出て実際に自分の「立教マイツリー」を見つけたい方々を対象に、ワークショップを実施しました。
樹木観察で自分だけの発見をするというミッションで、発見を写真に撮って後でみんなに共有してもらいました。
この写真は、ソテツの葉の観察をしているところ。葉のオモテとウラを見比べているのでしょうか。
池袋キャンパスには、ソテツの雌の木と雄の木が1本ずつあります。写真の木は雌の木で、当日は実がなっているところを観察できました。
「立教にある木や花を知れて嬉しかった」「立教樹木図鑑でまた色々な植物を教えてもらえたら良いなと思います」との感想をいただきました。
池袋キャンパスには、ソテツの雌の木と雄の木が1本ずつあります。写真の木は雌の木で、当日は実がなっているところを観察できました。
「立教にある木や花を知れて嬉しかった」「立教樹木図鑑でまた色々な植物を教えてもらえたら良いなと思います」との感想をいただきました。
おもしろサイエンスワールド2025では、数学・物理学・化学・生命理学のコンテンツ、そして推し本と立教マイツリープロジェクト「立教樹木図鑑」と、たくさんのコンテンツを参加者自身のペースで自由に体験していただきました。
このイベントを通じて、理学の魅力、研究者の魅力、研究の面白さ、樹木や池袋キャンパスへの親しみを感じていただけたら嬉しいです。
このイベントを通じて、理学の魅力、研究者の魅力、研究の面白さ、樹木や池袋キャンパスへの親しみを感じていただけたら嬉しいです。