2025/12/10 (WED)

【実施報告】2025年度 豊島区立小学校教員向け研修会を開催しました【地域・研修】

OBJECTIVE.

共通教育推進室(SCOLA)では、豊島区・立教大学「教育連携」協定に基づき、豊島区小学校教育研究会理科部に継続的に参加しています。
そして2007年より、理科部の先生方向けに教員研修会を年1回実施してきました。
今年度は、子どものための科学イベント「おもしろサイエンスワールド2024」と「おもしろサイエンスワールド2025」の物理コンテンツを体験していただきました。

【表題】   豊島区小学校教育研究会理科部 教員研修会
【内容】   物理学科コンテンツ①:粘性探偵ニュートロリン 液体Kの謎をとけ!
        物理学科コンテンツ②:知りたいことを知るために、見たいものを観るために
【対象】   豊島区小学校教育研究会 理科部 教員
【日時】   2025年11月26日(水)14:00-16:00(13:30開場)
【場所】   立教大学池袋キャンパス
【参加者数】 26名
【スピーカー】高橋良子

物理学科コンテンツ①:粘性探偵ニュートロリン 液体Kの謎をとけ!

イベントの概要説明中

2025年8月7日に実施した子ども向け科学イベント「おもしろサイエンスワールド2025」の中で実施したひとつ、物理学科のコンテンツを体験いただきました。

夏のイベントでは個人で体験いただくスタイルでしたが、今回は4-5名のグループになって一緒に謎を解いていくことにしました。

このコンテンツのキーワードは、粘性、実験デザイン。
物事や考え方をシンプルにしてやるべきミッションを決め、情報収集をし、集めた情報をもとに実験装置のデザインをするという流れで、物理の研究者体験をしました。

「おもしろサイエンスワールド2025」の様子はこちら

情報収集のひとつ知見A。容器には右から空気、水、液体のりが入っており、粘性が高いと容器の中のプロペラは回りにくいということを確かめているところ。

ミッションは、新しい物質"液体K"の粘性を明らかにするということ。

ミッションをクリアするために、まずは情報収集です。3つの情報(知見A, B, C)について体験しました。

この写真は知見Aの体験で、からっぼの容器と2種類の溶液の中で、それぞれプロペラを回し、空気、水、洗濯のりで、プロペラの回しやすさが変わることを体感しました。
「粘性が高いとプロペラを回しにくくなる」という一見当たり前に思えることを、実験をして改めて体感し、明文化しました。

知見Bでは、乾電池にモーターをつなぎその先にプロペラを接続して、電気の力でプロペラを回す体験をしました。

知見Cでは、プロペラの軸に取り付けたヒモを全て巻き取るまでにかかる時間を測定することで、プロペラの回転速度を数値であらわせるという体験をしました。

どんな実験装置にすべきかグループで話し合っているところ

次に、知見A, B, Cをもとにして、液体Kの粘性を調べるための実験装置を考えました。
写真は、グループに分かれた参加者が、どんな実験装置を組んだら良いのかを話し合っているところです。

考えた実験装置で粘性を比較しているところ

各グループで実験装置のアイデアを発表した後で、実際に実験装置として組まれたもので実験をしました。
水、洗濯のり、液体Kのプロペラの回転の速さから、粘性を比較して数値としてあらわすことができました。
最後に、コンテンツ監修をしていただいた物理学科 准教授の久間晋先生のメッセージをご紹介しました。
----------------
物理学は、この世界を支配する究極の法則を見つける学問です。
私の研究室では、目に見えない原子や分子が織りなす摩訶不思議な世界の謎を研究しています。

万有引力を発見した かの有名なニュートンが、こんな手紙を残しています。
「If I have seen further, it is by standing on the shoulders of Giants.」(もし私がより遠くまで見ることができたのだしたら、それは巨人の肩の上に立っていたからです。)
これまでのたくさんの研究者による発見が積み重なった「知見のタワー」に登ってそこから景色を眺めることで、次の謎があることに気がつき、そしてそれがまた新しい発見に繋がっていくということです。

シンプルな問いを立てること、そして先人の発見をうまく組み合わせて、その問いに答える最強の実験を自分たちでデザインすること、これが発見への道筋です。
今回は、そんな物理の研究者の体験をしてもらいました。いかがでしたでしょうか?

物理エリア コンテンツ監修
理学部 物理学科 久間 晋
----------------

物理学科コンテンツ②:知りたいことを知るために、見たいものを観るために

2本のマグネットバーで作ったレーンに鉄球を走らせて、目的とするモノにあてて跳ね返り方を観察します

2つ目に体験いただいたのは、2024年度「おもしろサイエンスワールド2025」の物理学科のコンテンツ。
ミッション「箱の中を見ずに入っているモノの形を当てよう!」に、グループで挑んでいただきました。

ミッションに挑む前にまずは、この2つを体験いただきました。
① 情報を複数組み合わせることで、目で見ずに箱の中のモノを予想する
② 円盤や棒に鉄球をあてて、その跳ね返り方を観察する

そして、鉄球を走らせるレーンをどのように設置するかをグループで話し合って、3回のチャンスで箱の中のモノの形をあてる作戦を立てました。実験結果は他チームと共有しあって形の予想をし、最後の結果発表はとても盛り上がりました。

このコンテンツのキーワードは、見えないモノの観測、装置づくり。
目に見えない物質の性質の解明に挑む、物理の研究者体験をしました。

「おもしろサイエンスワールド2024」の様子はこちら

体験の最後には、コンテンツ監修をしていただいた物理学科 教授 平山孝人先生(当時、現 名誉教授)のメッセージをご紹介しました。
----------------
物理学は、この広い宇宙に存在する全てのものを観測し、そこで起きる全ての自然現象を理解することを目的としている学問です。
私は、物質を構成している原子の構造や性質に興味を持って実験をしています。原子は小さすぎて目には見えません。そこで私は原子よりもずっと小さな電子を原子に当てて、跳ね返ってきた電子を観測して様々な情報を得ることで、原子の性質や構造を明らかにするという戦略をとっています。
電子以外にも、人間の眼には見えない光や原子と同じ程度の大きさを持っているイオンや原子を当てたりすることもあります。
でも見るための装置はこの世の中にないので、自分で作るしかないのです!!

今回は、そんな物理の研究者の体験をしてもらいました。いかがでしたでしょうか?

物理エリア コンテンツ監修
理学部 物理学科 平山孝人
----------------

おわりに

今回のプログラムでは、立教大学理学部のコンテンツ「リガクゲート」の物理のコンテンツ体験をしていただきました。

小学校教育研究会理学部の先生方からいただいたコンテンツへのフィードバックをもとに改良し、
本コンテンツは今後、夏のイベントに参加できなかった小中学生の子ども達にもお届けできるよう、出張リガクゲートやwebのリガクゲートのページにて体験できるようにしていく予定です。

「リガクゲート」コンテンツが、小学校の授業や学活、クラブ活動などで広く活用していただけると嬉しいです。

web「リガクゲート」のページ

お使いのブラウザ「Internet Explorer」は閲覧推奨環境ではありません。
ウェブサイトが正しく表示されない、動作しない等の現象が起こる場合がありますのであらかじめご了承ください。
ChromeまたはEdgeブラウザのご利用をおすすめいたします。